答え:早ければ早いほど良い
理由:相続税対策の基本
1. 生前対策
➀贈与金額 ✕ ➁長期期間 ✕ ➂人 数(推定相続人以外を含む)
<例>
暦年贈与 —–→ 110.1万円 ✕ 15年 ✕ 3人 = 4954.5万円—-(1)
税 額 —–→ 00.1万円 ✕ 15年 ✕ 3人 = 0.45万円——(2)
(1)-(2)より、4954.05万円
3人に15年間、現金贈与した結果、4954万円が課税財産から各相続人に移り、
税額を30%として計算すると、1486.2万円の節税効果となります。
(注)3年以内加算がないとして税額を算出。
例の➀・➁・➂をそれぞれ次のように変えてみると、約4倍の節税効果が更に表れます。
➀110.1万 —→ 200万
➁15年 —-→ 20年
➂3人 —→ 5人(推定相続人以外2人を含む)
暦年贈与 —–→ 200万円 ✕ 20年 ✕ 5人 = 20000万円—-(1)
税 額 —–→ 9万円 ✕ 20年 ✕ 5人 = 900万円——(2)
(1)-(2)より、19100万円(約2億円)
税額負担は毎年ありますが、着実に節税効果を上げるとともに、それぞれの贈与資金の有効
利用もその都度、自ら決めることができます。
**但し、次の注意点に気をつけて(贈与者と受贈者の連携が必要)
1.贈与契約証書を作って保管すること
2.贈与税の申告書は受贈者が自ら行うこと(税理士作成の場合は署名押印を自ら行うだけ)
3.現金移動は贈与者の口座から受贈者の口座に振り替えること
4.贈与金口座のお金の使い道を明確にして、証拠保全を受贈者が自らから行うこと
5.印鑑や通帳の保管は受贈者がしっかり行うこと
2.配偶者の特例(贈与税控除)
20年以上夫婦であれば、居住用財産を2000万円贈与できます。これは物凄く節税効果を
上げることができますので、条件に合う夫婦は検討事項です。
ただし、不動産取得税が登記時に、固定資産税が翌年の四月から、受贈者(配偶者)の負担に
なります。しかし、贈与税の3年以内の加算対象にもならない点は実務上の特典の1つです。
更に小規模宅地等の面積が広い被相続人にとっては、さらなる特典になります。
最後に、住み替えを考えていたり、マンションを購入予定がある場合には、検討を要します。
この配偶者の特例は同じ夫婦間では、「1回限り」の制度ですので、贈与対策の中では「決断」
が必要です。
実務で経験したことですが、この特例を翌年に予定していた夫婦が、前年に夫が死亡してしまい、
この特例が使えませんでした。
しかし当時はまだ基礎控除が5000万円+1000万円✕法定相続人の数でしたので、税金は
かかりませんでしたが、申告は必要でした。
このように、人の死亡(日)は自分達では決められませんが、生前対策は自分たちできめられ、
ある程度の対策をとると共に事後の対策を考えながら税金対策、より積極的な生き方、お金の
有効利用を複数年どころか長い年月可能にするのです。
注意点に気をつけながら、節税効果を生む、特例や対策は不可欠です。そのときは専門家である
税理士がついていると長期対策や特例のほか、譲渡や相似相続にも有効です。